遠州の夏、家康くんと直虎ちゃんも浴衣でお出迎え

浜松駅前のギャラリーモールで開催された「注染・ゆかた・和装展」をのぞいてきました。
会場では七夕かざりが夏らしく揺れ、キッチンカーのクリームソーダが目にも涼やか。
そんななか、ひときわ多くの人だかりができていたのが——浜松市のご当地キャラクター「出世大名 家康くん」と「出世法師 直虎ちゃん」のお二人です。
この日の二人は、なんと遠州の織物で仕立てた浴衣姿。
家康くんは藍染の落ち着いた装い、直虎ちゃんは花模様の鮮やかな一枚をまとい、来場者の撮影に気さくに応じていました。

二人がまとった浴衣を彩るのは、遠州に受け継がれてきた「織り」と「染め」の技です。
浜松を中心とする遠州地方は、江戸時代から綿花の栽培と綿織物づくりが盛んで、古くから「遠州織物」の産地として知られてきました。
実はトヨタの礎を築いた豊田佐吉や、スズキ創業者の鈴木道雄も、この地の織機開発から出発しており、“ものづくりのまち浜松”のルーツは、この繊維産業にあるといわれています。
そして浴衣の染めを支えてきたのが、静岡県の郷土工芸品にも指定されている「浜松注染そめ」。
豊かな水と「遠州のからっ風」に恵まれた浜松は、東京・大阪と並ぶ“ゆかたの三大産地”として発展してきました。
型を置いた生地に上から染料を注いで染める注染は、表と裏が同じ色柄に仕上がり、にじみやぼかしの美しさ、そして肌にやさしい通気性の良さが持ち味です。
普段はなかなか意識することのない地元の伝統も、こうして家康くんと直虎ちゃんが身にまとうと、ぐっと親しみがわいてきます。
夏本番はこれから。
浜松が誇る“ものづくり”の技に、あらためて触れられた、心あたたまるひとときでした。